飲みきれずに残ったウイスキー、香りが少し落ちた一本——捨てるのはもったいない。ウイスキーは、料理の優れた隠し味になります。肉の風味づけ、ソース、フランベ——ワインやブランデーと同じように、ウイスキーも料理を格上げする。飲む以外のウイスキーの使い道を、実用的に解説します。
01 フランベという演出
ウイスキーを使った華やかな技が、フランベです。熱した料理にウイスキーを加え、火をつけてアルコールを一気に燃やす——炎が立ち上る演出とともに、アルコールの角が取れて香りだけが残る。フォアグラのソテー、フルーツのフランベ(バナナやりんご)、そして仕上げのソースに。度数の高いウイスキーほど炎が立ちやすい。ただし火を扱うので、換気と安全に十分な注意を(顔や髪、周囲に火が及ばないよう、少量から)。家庭では無理せず、慣れた人向けの技ですが、うまく決まると料理が一気にレストラン級の演出になります。
02 ソース・デザート・保存食
応用範囲は広大です。①ソース——クリームソースやグレイビーにウイスキーを加えて深みを。②デザート——前記事の菓子への応用に加え、フルーツのコンポートやアイスのソースに。③保存食——ドライフルーツをウイスキーに漬ける(ラムレーズンのウイスキー版)、自家製の果実酒的な使い方。④燻製の風味づけ——燻製食品にウイスキーを合わせる調理も(専用記事の煙の相性を料理で)。加熱すればアルコールは大部分飛ぶので、香りだけを料理に活かせる。ワインやみりんと同じ「風味の調味料」として、ウイスキーは料理の引き出しを増やします。
03 余った一本の活用として
ウイスキー料理の最大の実用性は、「余った一本の活用」にあります。飲みきれない、香りが落ちた、好みでなかった——そんなウイスキーも、料理なら美味しく使い切れる。高級品を使う必要はなく、むしろ持て余した一本こそ料理向き。「飲むには物足りないが捨てるには惜しい」ウイスキーの、最高の出口です。そして、料理に使うことで、ウイスキーとの付き合い方が飲む以外に広がる。棚で眠っている一本があったら、今夜の料理に少し使ってみてください。飲む楽しみとは別の、ウイスキーの新しい顔が見えてきます。