01ストーリー
アードベッグは「一度死んだ蒸溜所」です。1815年創業の名門ながら、ウイスキー不況のなかで1980年代に操業停止に追い込まれ、荒れ果てた時期がありました。転機は1997年。グレンモーレンジィ社が買収し、島の人々とともに蒸溜所を蘇らせたのです。復活の象徴として掲げられたのがこの「TEN」。アイラ屈指のヘビーピートでありながら、レモンやライムの柑橘を思わせる透明感が同居する味わいは「ピーティ・パラドックス」とも評されます。度数46%・ノンチルフィルタードという仕様は、香味成分を一切損なわず瓶に詰めるという宣言。2000年に発足したファンクラブ「アードベッグ・コミッティー」は世界中に会員を持ち、限定ボトルの発売日には蒸溜所に行列ができます。廃墟から世界的カルトブランドへ——ウイスキー史でも屈指の復活劇の主役です。
02味わい
| 香り | 強烈なピートスモークに、レモンやライムの柑橘、かすかな潮 |
|---|---|
| 味わい | 煙と甘みの応酬。コーヒーやリコリス(甘草)の深い含み |
| 余韻 | 長大でスモーキー。麦芽の甘さが最後まで寄り添う |
※ メーカー公表のテイスティングノートに基づく参考情報です。編集部による実飲レビューは下記のとおり準備中です。
03おすすめの飲み方
- ストレート — 46%の凝縮感をそのまま。加水で香りが花開く
- ロック — 煙が静まり、柑橘の透明感が前に出る
- 少量加水 — ノンチルならではの香味の開きを実験できる