ようこそ、ウイスキー入門コースへ。最初にこのコースの方針をお伝えします——難しい話は、しません。少なくとも今日は。ウイスキーの定義も歴史も産地も、今夜は一切不要です。必要なのはコンビニに寄る5分と、この記事の3分。それだけで、今夜の一杯は昨日までと別物になります。

01 買うものは3つだけ

コンビニかスーパーで、次の3つを買ってください。①ウイスキーの小瓶(角瓶やブラックニッカの180〜200mlで十分。500円前後) ②強炭酸水(500ml。「強」と書いてあるもの) ③ロックアイス(袋の氷。「純氷」と書いてあればなお良し)。合計1,000円でお釣りが来ます。家の冷凍庫の氷でも作れますが、初回は袋の氷を推します——理由は先の回で明かしますが、これだけで味が一段変わるからです。

02 3つのルールで作る

作り方は普通のハイボールです。ただし3つだけルールを守ってください。ルール①氷はグラスの上まで、たっぷり(ケチると失敗します)。ルール②ウイスキー1:炭酸4。グラスに指1本分のウイスキーを注ぎ、氷に当てないよう炭酸を静かに足す。ルール③混ぜるのは、マドラーで縦に1回だけ。ぐるぐる混ぜた瞬間、炭酸は死にます。——以上です。飲んでみてください。しゅわっと弾けて、香ばしくて、すっと消える。居酒屋の一杯より美味しくできていたら、成功です。

03 今日の成功が、このコースの出発点

おめでとうございます。あなたはもう「ウイスキーを美味しく飲める人」です。このコースは全20回。第1回のこの一杯から始まって、最終回のあなたはバーのカウンターで、自分の好みを言葉にして一杯を注文しています。途中には、自分の一本を買う日も、家の冷凍庫でバーの氷を作る日もあります。急ぐ必要はありません。1日1回でも、週末にまとめてでも。次回は、今夜の一杯がなぜ美味しかったのかを、もう少しだけ分解します——そこに、この先ずっと使える「味の方程式」があるからです。