この回は、コース全20回の中でも特に「今夜の家が変わる」実践回です。前回学んだ通り、透明氷の条件は水質ではなく凍らせ方——「一方向に、ゆっくり」。今日はこれを家庭の冷凍庫で実現します。

01 原理の復習 — 凍結面は空気を押す壁

冬の湖の氷は、驚くほど透明です。湖は必ず水面から下に向かって、外気まかせにゆっくり凍るから——空気と不純物は常に下の水へ押し出され、氷は純粋な部分だけで育ちます。つまり方向凍結とは、冷凍庫の中に小さな冬の湖を作ること。必要なのは「上からしか冷えないようにする」仕掛け、すなわち断熱です。

02 実践 — クーラーボックス法

最も原始的で確実な方法です。①小型のクーラーボックス(または発泡スチロール箱)に水道水を7分目まで張る ②フタを外したまま冷凍庫へ(上面だけが冷気に触れる状態にする) ③一晩〜丸一日待つ ④全部凍りきる前に取り出すのがコツ:上半分が透明な氷、下に濁った水(空気の濃縮液)が残っている状態が理想です。下の水を捨て、氷を取り出せば——透明な塊の完成。包丁の背で好みのサイズに割って、密閉容器で保存します。最初は小さめの容器で試すと、冷凍庫の場所も取らず失敗も軽く済みます。

03 透明氷の初仕事

透明氷ができたら、初仕事はもちろんロックです。第3回と同じ手順で、ただし氷だけを自作の透明氷に替えて。溶けの遅さ、雑味のなさ、10分後の味の締まり——第1章から積み上げてきた体験が、ここで一本の線につながります。あなたはもう「氷を選べる人」ではなく「氷を作れる人」。家飲みの装備としては、かなりの高みです。次回は第3章の仕上げ——グラスと照明を整えて、あなたの家のバー開店です。