製法の特徴
港町の中心部、崖と海に挟まれた狭小地に立つスコットランド最小級の蒸留所。わずか2基の小型スチルと旧式のワームタブ冷却が、潮気・果実・かすかな煙の均衡した「西ハイランドの縮図」のような酒質を生む。
歴史
1794年、スティーブンソン兄弟が漁村オーバンに醸造所として創業し、町は蒸留所とともに発展した——「町が蒸留所を囲んで育った」と形容される稀有な例である。19世紀には鉄道開通でリゾート地として栄え、「ハイランドへの玄関口」と呼ばれる港町の顔となった。1890年代の改築時、背後の崖から中石器時代の人骨が発見され、スコットランド最古級の人類居住痕として考古学史にも名を残す。1988年にディアジオ前身社の「クラシックモルト」6本の一つに西ハイランド代表として選出。拡張の余地がない立地ゆえに生産量は今も限られ、その希少性も愛好家を惹きつけてやまない。
代表銘柄
オーバン14年 / オーバン ディスティラーズエディション / オーバン リトルベイ