製法の特徴
世界的にも希少なローモンドスチル(初留)を今も使う数少ない蒸留所。オークニーの軍港スキャパフロー沿いに立ち、蜂蜜と洋梨の柔らかな、島らしからぬ穏やかな酒質を持つ。
歴史
1885年、オークニー本島の入り江スキャパフローに創業。この湾は二度の大戦で英国海軍の本拠地となり、1919年にはドイツ大洋艦隊74隻が自沈した世界史の現場である——第一次大戦中は蒸留所自体が海軍に接収され、水兵が火災から蒸留所を救った逸話も残る。1959年に導入されたローモンドスチル(胴内に可動式の棚を持つ特殊な蒸留器)は、改造を経つつも現役で稼働する世界的な希少例。ハイランドパークの陰に隠れがちな「オークニーのもう一つの蒸留所」だが、その柔らかな酒質は静かな固定ファンを持ち、少人数の職人だけで守られている。
代表銘柄
スキャパ スキレン / スキャパ グランサ