製法の特徴
麦芽を挽かずにフィルタープレスで濾過するという、スコッチでほぼ唯一の「マッシュフィルター」方式を採用する異端児。青草と紅茶を思わせる鋭くクリーンな酒質はブレンダーの秘蔵っ子。
歴史
1817年、地主ヒュー・マンローが創業した北ハイランドの古参。ダルモアと同じアルネスの町に立ちながら、観光施設を持たず生産に徹する「無名の巨人」である。2000年に導入されたマッシュフィルター(ビール業界の技術)は、伝統的なマッシュタンを使わずに麦汁を得る方式で、スコッチモルト業界では現在もほぼ唯一の採用例——この透明度の高い麦汁が、同蒸留所の際立ってクリーンな草質の酒を支える。生産量の大半はジョニーウォーカーなどのブレンド用で、公式シングルモルトは花と動物シリーズの10年など僅か。だがその特異な製法と酒質は、ウイスキー技術論を語る際に必ず名前が挙がる存在である。
代表銘柄
ティーニニック10年(花と動物シリーズ) / ボトラーズ各社リリース