17世紀末から、スコットランドのウイスキーには重い税が課されるようになりました。生産者たちは徴税を逃れてハイランドの山中に隠れ、夜陰に紛れて蒸留を続けたため、その酒は「ムーンシャイン(月光)」とも呼ばれました。皮肉なことに、密造時代に生まれた工夫——小さなポットスチルや、シェリーの空き樽に隠して寝かせた酒が美味くなるという発見——が、ウイスキーの品質を育てたと語られています。1823年、酒税法の改正により妥当な税額で合法的に蒸留免許を取得できるようになると、密造者たちは次々と表舞台へ。翌1824年に免許を取得したグレンリベットをはじめ、現存する名門蒸留所の多くがこの時代に正規の歴史を歩み始めました。
密造の時代と1823年酒税法
重税から逃れた密造者たちが山中でウイスキーを育て、1823年の酒税法改正が合法生産への道を開きました。