19世紀前半、ウイスキーづくりを一変させる発明が生まれます。スコットランドのロバート・スタインが考案した連続式蒸留の仕組みを、アイルランドの元収税官イーニアス・コフィーが改良し、1830年頃に「コフィースチル」として特許を取得しました。従来のポットスチルが一回ごとに仕込み直す回分式だったのに対し、連続式蒸留機はもろみを連続的に投入しながら高純度のアルコールを取り出せる画期的な装置でした。これにより、トウモロコシなど安価な穀物から軽やかなグレーンウイスキーを大量生産できるようになり、後のブレンデッドウイスキー隆盛の土台が築かれました。皮肉にも、発明者コフィーの母国アイルランドはこの装置の採用に消極的で、後の主導権はスコットランドに渡っていきます。