2001年、英国の専門誌ウイスキーマガジンが企画した国際ブラインドテイスティング「ベスト・オブ・ザ・ベスト」で、事件が起きます。日英の専門家による審査の結果、総合最高得点を獲得したのは、スコッチの名門でも老舗でもなく——ニッカの「シングルカスク余市10年」でした。ブレンデッド部門でも響21年が最高評価を獲得。本場の専門誌が本場の酒を差し置いて日本に軍配を上げたこの結果は、英国メディアでも驚きをもって報じられました。日本国内では当時ウイスキー市場が低迷の底にあり、この快挙も一部の愛好家の話題にとどまりましたが、歴史的な意味は計り知れません。以後、ISCやSWSCなどの国際品評会で日本勢の受賞が相次ぎ、「ジャパニーズウイスキーは世界最高峰の一角」という評価が国際常識となっていく——その雪崩の最初の一石が、この2001年の余市でした。竹鶴政孝の留学から83年目の答え合わせです。