「フォアローゼズ(四本の薔薇)」は、バーボンの中でも際立って設計が知的なブランドです。特徴は一言で言えます——10種類の原酒レシピを持ち、その調合で全製品を作り分けている。この仕組みが分かると、黄色から黒、プラチナまでのラインナップが一気に読めるようになります。
01 ラインナップ — 黄・黒・プラチナ
日本の棚での主軸は3本です。【イエロー(スタンダード)】10レシピすべてをブレンドした入口。花と洋梨を思わせる軽やかさで、バーボン入門の定番。【ブラック】日本市場向けに育った濃色ラベルで、円熟したコクが持ち味の中核品。【プラチナ】日本限定の上位品として展開されてきた贅沢設計。このほか米国主体の「スモールバッチ」「シングルバレル」があり、シングルバレルは高ライ・スパイス系レシピ単独の骨太さを味わえます。※ブラック・プラチナが「日本で強い」のには理由があります——次の段で。
02 日本との縁 — キリンのバーボン
フォアローゼズは、日本のキリングループが長く経営に関わってきたブランドです(現在はキリン傘下)。日本市場向けボトルの充実、日本のバー文化との親和性はこの資本関係の産物で、「日本人が最も育てたバーボン」と言っても過言ではありません。富士御殿場蒸溜所を持つキリンのウイスキー事業とも同じ家系——ラベルの薔薇は、意外なほど日本に近い花なのです。
03 使いどころ
イエローはハイボールで花の香りが立ち、「バーボン=重い」という先入観を崩してくれます。ブラックはロックで。そしてこのブランドの真の楽しみは、レシピの思想を知った上で飲むこと——「今この一口の華やかさは、花香系酵母の仕事かもしれない」と考える一杯は、単なる甘いバーボンではなく、10色のパレットの答え合わせになります。名前の由来(プロポーズの返事に薔薇のコサージュを、という逸話)も含めて、贈り物の物語性も十分です。