「今日は特別な日だから」——この口実が一年に何度も使えるとしたら。ウイスキーの世界には、世界規模から日本独自まで、公式・非公式の記念日が点在しています。由来を知って乾杯すれば、いつもの一杯が小さな祭りになる——愛好家のための記念日カレンダーです。
01 ワールド・ウイスキー・デー — 5月第3土曜日
世界最大のウイスキー記念日は「ワールド・ウイスキー・デー(World Whisky Day)」——毎年5月第3土曜日です。2012年にスコットランドの学生の発案で始まった若い記念日ですが、瞬く間に世界へ広がり、今では各地のバーやメーカーがイベントを開催する国際的な祝日となりました。「難しく考えず、好きなように楽しむ」が公式の理念で、作法にうるさくないのが今風です。5月の土曜の夜、世界中で同時にグラスが上がっている——そう思って飲む一杯は、確かに少し特別な味がします。
02 スコットランドの聖夜 — バーンズ・ナイトと聖アンドリューの日
本場スコットランドの乾杯日は歴史の重みが違います。1月25日のバーンズ・ナイトは国民詩人ロバート・バーンズの誕生日——ハギスに詩を捧げ、ウイスキーを回し飲む伝統の晩餐会で、世界中のスコットランド系コミュニティで開かれます。11月30日は守護聖人の聖アンドリューの日(スコットランドの祝日)。どちらも「スコッチと共に祝う」ことが様式に組み込まれており、ウイスキーが国民文化そのものであることを教えてくれます。日本のバーでもバーンズ・ナイトのイベントは増えており、詩と酒の夜を体験できます。
03 日本の記念日 — 8月21日と2月1日
日本には独自の記念日が二つあります。「国産ウイスキーの日」は8月21日——竹鶴政孝がスコットランド留学へ旅立った日に由来するとされ、近年の制定です。もう一つ、ウイスキー文化研究所が制定した「ウイスキーの日」は2月1日——1934年のこの日にニッカの前身・大日本果汁が設立されたことにちなみます。加えて、山崎蒸溜所の建設開始(1923年)にちなむ節目の年には各社が記念企画を展開してきました。夏の終わりと冬の初めに、日本のウイスキー100年へ乾杯する口実がある——覚えておいて損はありません。