第1章の最終回です。今夜は新しい技を覚えません。代わりに、これまでの3回を一つのテーブルに並べます——同じウイスキーを、3つの飲み方で同時に。これは世界中のウイスキー講座で行われる、最も古典的で、最も効く実験です。
01 準備 — 小さく3杯、同時に作る
小瓶の残りで足ります。グラスを3つ用意して(形は不揃いでOK)、①ストレート:ウイスキーをほんの15ml、そのまま ②ロック:氷と30ml ③ハイボール:氷+30ml+強炭酸。ストレートが初登場ですが、身構えなくて大丈夫——なめる程度の量ですし、隣にチェイサーの水を置きます。3杯を並べたら、実験開始です。飲む順番だけ守ってください:ストレート→ロック→ハイボール。薄い方から先に飲むと、後の一杯の味が分からなくなるためです(※逆では?と思った方、鋭い。正解は「濃い順」です。炭酸と冷たさは舌をリセットしてくれるので、この順番が一番それぞれの個性が分かります)。
02 観察 — 3つの質問に答える
各グラスで、3つの質問に答えてください。質問1:香りはどれが一番はっきり感じる?(鼻を近づけて) 質問2:甘みを感じたのはどれ?(意外な答えが出ることが多い質問です) 質問3:もう一杯飲むなら、どれ?——3問目があなたの現在地です。ストレートを選んだ人は香りと余韻の人。ロックを選んだ人は変化と時間の人。ハイボールを選んだ人は爽快とリズムの人。どれが上級ということは一切ありません。世界のプロにも三派それぞれいます。
03 次章予告 — その「好き」で、一本選べます
第2章のテーマは「自分の一本を選ぶ」。今夜の3問の答えと、第2回の濃さメモ(1:3派/1:4派)を持って、次回は好みの診断から始めます。そして第6回、あなたは酒屋で自分の最初のボトルを買います——覚える言葉は3つだけ、予算は3千円から。小瓶を卒業して、自分の一本がある生活へ。ウイスキーが一番面白くなる章です。