日本のブレンデッドウイスキーの頂点、響。しかし店頭で(運良く)出会った時、「ジャパニーズハーモニーと21年は何が違うのか」に即答できる人は多くありません。響という体系の読み方を、一枚の見取り図にします。
01 響とは何か — 三蒸溜所の全部入り
響はサントリーのブレンデッドの最高峰として1989年、創業90周年に誕生しました。設計の核心は「サントリーの全資産を使うこと」——山崎のモルト、白州のモルト、知多のグレーン。つまり響は、華やかさ(山崎)と爽やかさ(白州)と滑らかさ(知多)を一つのグラスで調和させる「三重奏」です。24面カットのボトルは二十四節気を、和紙のラベルは日本の工芸を表す——「日本の美意識を瓶に詰める」という設計思想は、全ラインナップに一貫しています。
02 ジャパニーズハーモニー — 現行の入口
現行の基準となるボトルが「響 JAPANESE HARMONY(ジャパニーズハーモニー)」——年数表記のない現代の設計です。蜂蜜、オレンジピール、ほのかなミズナラの香木——軽やかで上品な調和は、年数付き響が入手難となった時代に「響の思想を絶やさない」ために生まれた回答です。ハイボールでも壊れない繊細さは見事で、初めての響として過不足がありません。「年数がないから格下」と侮ると、ブレンドの精度に驚かされます——数字ではなく調和を飲むボトルです。
03 ブロッサムハーモニーと限定の系譜
近年の話題作が「響 BLOSSOM HARMONY(ブロッサムハーモニー)」——桜樽で後熟した原酒を使う、年に一度の限定品です。桜餅を思わせる和の香りは、ミズナラに続く「日本の木」の新しい実験。毎年初夏の発売は抽選や即完売が常で、響の限定文化(意匠ボトルや節目の記念品を含む)は、この銘柄がもはや工芸品の領域で語られていることを示します。狙うなら公式発表を追い、定価での抽選に参加するのが正道です。