医薬品的で潮っぽいのがラフロイグ、煙の奥に甘さが潜むのがアードベッグです。どちらもアイラの最重量級。
スペック比較
01 ラフロイグ — 正露丸と呼ばれる個性
ラフロイグは、ヨードや薬品を思わせる強烈な香りで知られます。「正露丸」と評されるのはこの独特の医薬品的なニュアンスゆえ。自社で床製麦を行い、独自のピートを使うことがこの個性を生んでいます。好き嫌いがはっきり分かれる、アイラの象徴的存在です。
02 アードベッグ — 煙の奥に潜む甘さ
アードベッグはフェノール値ではラフロイグを上回ることもありますが、印象は異なります。強烈な煙の奥に、意外なほど甘くフルーティーな核がある。煙と甘みのコントラストが持ち味で、熱狂的なファン組織を持つブランドとしても知られます。
03 価格と入手性 — アイラの定番はどちらも買いやすい
ラフロイグ10年もアードベッグ10年も輸入量が安定しており、量販店やネットで常時入手できます。価格帯も近く、ジャパニーズの品薄とは対照的に「飲みたいときに買える」のがアイラ定番の良さです。限定品(アードベッグの年次リリースなど)は発売直後に品薄になりますが、まず定番の10年同士で比較するのがこの二本の正しい入り口です。個性が強いぶん一本が長持ちするのも実用的な利点で、価格以上に長く付き合える二本といえます。
04 飲み方別の使い分け — 煙は割っても消えない
どちらもストレートで強烈な個性を放ちますが、実はハイボールにしても煙は消えません。ラフロイグのハイボールは薬品香が和らいで燻製のような香ばしさに変わり、意外なほど食事に合います。アードベッグはハイボールでも柑橘と煙の緊張感が残り、牡蠣や燻製との相性は抜群。ロックにすると温度が下がって煙が落ち着き、甘みが前に出ます。「強すぎた」と感じたら、まず炭酸で割ってみてください。捨てる前に試す価値があります。
05 最初の一本はどちらか — 挫折しにくいのはラフロイグ
意外に思われるかもしれませんが、初めてのアイラとしてはラフロイグのほうが分かりやすい。正露丸的な個性は強烈ですが方向が明確で、好きか嫌いかの判断が早くつきます。アードベッグは煙の奥の柑橘や甘みまで感じ取れるようになると真価が分かるため、二本目以降のほうが楽しめます。もし両方に惹かれたら、次はラガヴーリン16年へ。アイラ南岸の三強を制覇すると、ピートの世界の全体像が見えてきます。