「C.C.」の愛称で親しまれるカナディアンクラブは、日本で最も身近なカナディアンウイスキーです。1858年創業、五大湖のほとりで生まれたこのブランドは、カナダという産地の「軽やかさの美学」をそのまま体現しています。
01 カナダ流の造り — ベースとフレーバリング
カナディアンの多くは、二層構造で設計されます。①ベースウイスキー:トウモロコシ主体を連続式蒸溜でクリーンに仕上げた土台。②フレーバリングウイスキー:ライ麦などを香味豊かに蒸溜した「調味料」。この二つを別々に造って熟成し、最後に合わせる——ブレンデッドスコッチのモルト/グレーン構造に似ていますが、カナダは「穀物ごとに別蒸溜」する点が独特です。C.C.の軽く滑らかで、かすかにスパイシーな性格は、この設計の産物です。
02 ラインナップ — 無印から年数物へ
基準の「カナディアンクラブ(無印、通称ホワイトラベル)」は、癖のなさでは世界のウイスキーでも屈指。ハイボール、ジンジャー割り、コーラ割り(C.C.コーク)まで、割って完成する設計です。上位には12年(コクと丸みが増した黒ラベル)、さらにクロニクルシリーズなどの長期熟成限定品があり、40年超の超長期品が国際的な賞を獲得した実績も——「軽い酒は熟成に向かない」という思い込みを覆す実例として知られます。
03 使いどころ
C.C.の主戦場は、混ぜる飲み方です。ハイボールなら軽やかに、ジンジャーエールなら華やかに、レモンを搾れば爽快に——「主張しすぎない」ことが最大の武器で、食事にも合わせやすい万能選手。ウイスキー初心者の「強い酒が苦手」問題への現実解として、またカクテルベースの常備品として、一本置いておく価値があります。5大産地の飲み比べ(入門コース第14回)では、カナダ代表としてぜひこの一本を。