今回はこのコースで最初の「買い物回」です。緊張は要りません。数千の銘柄があっても、あなたが見るべき棚は診断済みのタイプの一角だけ。そして覚える言葉は3つだけです。
01 3つの言葉 — これだけでラベルは読める
①シングルモルト:一つの蒸留所だけで造られた、個性がはっきりした一本。「その蒸留所の味」を飲むもの。②ブレンデッド:複数の原酒を混ぜて調和させた一本。バランスが良く、ハイボールにも強い。③NAS(年数表記なし):ラベルに「12年」などの数字がないもの。数字がない=悪いではなく、若い原酒も使った現代的な設計というだけ。——この3語が分かれば、店頭のラベルの9割は読めています。「12年」は使った原酒の最も若い年数、という豆知識も添えておきます。
02 タイプ別・最初の一本(予算3千〜5千円)
診断結果に沿ってどうぞ。【華やか系】グレンフィディック12年(洋梨と青りんご。世界で一番飲まれているシングルモルト)、またはグレンリベット12年(花と蜂蜜)。【甘やか系】バーボンのメーカーズマーク(バニラと蜂蜜の甘さ)、または少し背伸びしてグレンドロナック12年(レーズンと黒糖)。【スモーキー系】いきなりアイラ島の強烈なやつではなく、ジョニーウォーカー黒ラベル(奥にほのかな煙。ブレンドの世界標準)から。【迷ったら】角瓶より一段上の国産ブレンデッドか、フィディック12年——どの飲み方でも破綻しない優等生です。
03 帰宅後の儀式
買ってきた一本を開ける瞬間は、ちょっとした儀式です。まず栓を開けて、ボトルの口から立つ香りをひと嗅ぎ(これが「素顔の香り」の記憶になります)。最初の一杯は、第1章で一番好きだった飲み方で。そして飲みながら、当サイトの銘柄データベースであなたの一本のページを読んでみてください——その一本がどこで生まれ、どんな物語を持つか。「知ってから飲むと美味しい」を、自分のボトルで初体験する夜です。