ここからは実技の章です。頭で覚えた産地と種類を、舌で確かめていきます。第1回はストレート——「強い酒をそのまま」と聞くと身構えますが、正しい作法を知れば、これほど雄弁な飲み方はありません。銘柄の設計図を、何も足さずにそのまま読む方法です。

01 ストレートの作法は3つ

①量は少なく——30ml(シングル)で十分、半分でも構いません。②チェイサー(水)を必ず隣に——ひと口ごとに水を挟むと、舌がリセットされて最後まで香りが分かります。③一気に飲まない——なめるように少量を口に含み、舌の上で転がしてから飲み込む。強さに耐える飲み方ではなく、少量をゆっくり観察する飲み方だと考えてください。

02 鼻から始める

グラスに注いだら、まず飲まずに香りを嗅ぎます。鼻を近づけすぎず、グラスの縁で香りを受けて、口を少し開けて嗅ぐとアルコールの刺激を逃がせます。甘い? 果物っぽい? 煙たい?——言葉にできなくて構いません。「飲む前に嗅ぐ」の習慣がつけば、それだけで一杯の情報量は倍になります。

03 今夜が最初のテイスティング

難しく考えず、今夜は「嗅いでから、少量をゆっくり、水を挟んで」だけ守ってみてください。第17回のテイスティング入門で、今夜感じたことを言葉にする技術を学びます。今日はその素材集めの日です。