第3章の実技もいよいよ食卓編。ハイボールと水割りは、ウイスキーを「食事の飲み物」に変える日本で磨かれた技術です。どちらもレシピは単純ですが、単純だからこそ比率と手順の差がそのまま味の差になります。数字を2つだけ覚えてください——1:4と1:2.5です。

01 ハイボール 1:4

氷をグラスの上まで詰め、ウイスキー1に対して強炭酸4。炭酸は氷に当てないよう縁から静かに注ぎ、マドラーで縦に1回だけ。混ぜすぎは炭酸の墓場です。レモンは搾らず皮をひねって香りだけ乗せると、銘柄の個性が残ります。揚げ物との相性は理屈抜き——炭酸が脂を流し、次のひと口を新しくしてくれます。

02 水割り 1:2.5

氷入りのグラスにウイスキーを注ぎ、まず酒だけを10回ほどかき混ぜて冷やします。それから水を1:2〜2.5で加え、軽くひと混ぜ。先に酒を冷やすのがプロの手順で、全体がなじんで水っぽさを感じにくくなります。水は軟水のミネラルウォーターが理想。出汁の効いた和食に寄り添う懐の深さは、水割りだけの特技です。

03 食卓との組み合わせ

ハイボールは揚げ物・焼き鳥・餃子と、水割りは刺身・煮物・出汁の料理と好相性。当サイトのペアリングのカテゴリに実践編が50記事ありますが、まずは「濃い料理に濃いめの一杯、淡い料理に薄めの一杯」の原則だけで十分に楽しめます。