第1章の最終回です。ウイスキーとは何か(第1回)、どう造られるか(第2回)、どんな種類があるか(第3回)。この3つの知識を持ったあなたなら、ラベルというウイスキーの履歴書を読み解けます。棚の前で自信を持って立てるようになる回です。
01 数字の暗号 — 「12年」と「43%」
「12年」は熟成年数——ただし使われた原酒のうち「最も若い」原酒の年数です(中にはもっと古い原酒も入っています)。年数がないものはNAS(ノンエイジ)と呼ばれ、若い原酒と熟成原酒の巧みな混和で、必ずしも格下ではありません。「43%」はアルコール度数。40%が標準、46%以上は風味重視の設計、50%超の「カスクストレングス」は樽出しそのままの迫力です。
02 樽の暗号 — シェリーとバーボン
「シェリーカスク」とあれば、シェリー酒の樽で熟成——レーズンのような甘い香りの予告です。「バーボンカスク」ならバニラと蜂蜜の予告。「ミズナラ」は日本原産の樽で、お香のような和の香り。第2回で学んだ「樽が味の半分以上を作る」を思い出してください。樽の名前は、味の予告編なのです。
03 産地の暗号 — スコッチ、ジャパニーズ
「スコッチ」はスコットランドで3年以上熟成したもの、と法律で決まっています。「ジャパニーズウイスキー」も2021年から業界基準ができ、国産原料の糖化から瓶詰めまで日本国内で行うことが条件になりました。産地表示は、次章で旅する「産地の個性」への入口です。