今回は私たちの足元、日本です。いまや世界のオークションで最高値を競うジャパニーズウイスキーですが、出発点は1923年、大阪と京都の境の小さな谷でした。100年の物語は、二人の人物から始まります。
01 鳥井信治郎と竹鶴政孝 — 二人の創業者
サントリーの創業者・鳥井信治郎は「日本人の繊細な舌に合うウイスキーを」と私財を投じ、1923年に山崎蒸溜所を建てました。初代工場長は、スコットランドで単身修行してきた竹鶴政孝。後に竹鶴は独立し、より本場に近い気候を求めて北海道余市に自らの蒸溜所を築きます。サントリーとニッカ——日本の二大系譜は、この師弟の道の分かれ目から生まれました。
02 日本らしさとは何か
ジャパニーズの個性は一言でいえば「繊細さと調和」。水割りやハイボールで食事と楽しむ文化に合わせ、突出より均衡を磨いてきました。日本原産のミズナラ樽が与えるお香のような香りは、世界のブレンダーが憧れる唯一無二の個性です。2003年に山崎12年が国際的な金賞を獲って以来、世界の評価は一変しました。
03 原酒不足とクラフトの時代
人気の爆発は原酒不足を招き、年数表記の銘柄の多くが休売・高騰しました。しかしその間に、秩父を筆頭に全国で小さな蒸溜所が次々と生まれ、いまや100か所規模。北海道から鹿児島まで、土地の水と気候で個性を競う群雄割拠の時代です。当サイトの蒸溜所図鑑で、あなたの地元の蒸溜所も見つかるかもしれません。