ニッカウヰスキーの二大蒸溜所、余市と宮城峡。竹鶴政孝が「力」と「華」を託した対照的な二つの蒸溜所は、どちらも見学の価値十分です。石炭直火の余市、緑に囲まれた宮城峡——それぞれの見どころとアクセスを、訪問ガイドとしてまとめます。マッサンの舞台を、その目で確かめる旅です。
01 余市 — 石炭直火の総本山
余市蒸溜所(北海道余市町)は、1934年開設のニッカの原点です。最大の見どころは、世界的にも希少な石炭直火蒸溜——職人が石炭をくべる光景は、他ではまず見られない。赤い屋根の石造りの建物群、竹鶴とリタの旧邸、そして重厚な余市の原酒の飲み比べ。NHK『マッサン』の舞台としても知られ、放送以来の人気が続いています。アクセスは小樽から電車で、余市駅から徒歩すぐ。積丹半島の海の幸と合わせた旅程も楽しい。日本のウイスキーが「本場に忠実であろうとした」原点を、体感できる場所です。
02 宮城峡 — 赤煉瓦と森の蒸溜所
宮城峡蒸溜所(宮城県仙台市)は、1969年開設のニッカ第二の蒸溜所です。竹鶴が新川の水で水割りを作り即決した(専用記事)という谷にあり、緑に囲まれた赤煉瓦の建物群が美しい。見どころは、余市とは対照的なスチーム加熱の穏やかな蒸溜、カフェ式連続蒸溜機(専用記事)という産業遺産級の設備、そして宮城峡の華やかな原酒の飲み比べ。仙台駅からバス・車で40分ほどとアクセス良好で、仙台観光と組み合わせやすい。余市の「力」に対する宮城峡の「華」——二つを訪れると、ニッカの二重奏(専用記事)が立体的に理解できます。
03 二つ訪れる価値
余市と宮城峡は、できれば両方訪れたい蒸溜所です。同じニッカでありながら、石炭直火の力強い余市と、スチーム加熱の華やかな宮城峡——設備も酒質も対照的。この違いを現地で体感すると、竹鶴政孝が「性格の違う二つの蒸溜所」を持つことに込めた意図(専用記事)が腑に落ちます。北海道と宮城で距離は離れていますが、それぞれ小樽・仙台という魅力的な観光地とセットで訪れられる。竹鶴とリタの物語(歴史コラム)を思いながら巡る二大蒸溜所の旅は、日本ウイスキー史を歩く体験そのものです。